日本酒の特定名称について

日本酒には、酒税法で定められた特定名称という区分があります。特定名称に関する詳細は以下になります。

最終更新日 2014/8/25

特定名称とは

特定名称は酒税法で定められた条件を満たした日本酒に表示できるもので、原料・製法で8種類に分類されています。

それぞれどのような原料・製法で造られているかを知ることで、その日本酒がどのようなタイプ・品質のお酒かを知る目安になります。

用語

特定名称に関する主な用語について説明します。

精米歩合

精米歩合は玄米の表面を削った後に残ったお米の比率を表しています。例えば、精米歩合60%は玄米を表面を40%削りとり、お米として残ったのは、60%ということです。(食用の白米の精米歩合は約90%です。)

米こうじ

白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のデンプンを糖化させることができます。特定名称酒は米麹の為に使う白米の重量が全体の白米の15%以上となっています。又使用するお米は農産物検査法によって3等以上に格付けされた玄米、又は相当する玄米を精米したものに限られています。

醸造アルコール

デンプン質物や含糖質物から醸造されたアルコールで、無色透明で味もありませんが、適量添加することにより香りを引き出したり、スッキリした風合いになります。特定名称酒は醸造アルコールを添加するのは白米の重量の10%以下と決まっています。

吟醸造り

吟醸や大吟醸という名称をご存知かと思います。いわゆる高級酒の代名詞であるこの吟醸とは何なのかと申しますと、高精白した酒米を使用して低温でゆっくりと発酵させてお酒を造る伝統的な手法のことをいいます。

高精白したお米は小さくなる分高価な酒米の使用量も多くならざるを得ず、また丁寧な原料処理のために大変な手間がかかります。また低温で発酵させるためにはきめ細かな温度管理が必要で長い時間と手間がかかりますが、そうすることで吟醸酒特有のフルーティーな芳香が生まれます。このように吟醸酒は優良な酵母、高価で高精白された酒米を駆使し、手間暇をかけて仕込んだお酒を瓶詰め、出荷に至るまで低温管理を行う現代の醸造技術の発達から生まれたお酒なのです。

特定名称の分類

原料に醸造アルコールの有無で2つに分けられます。

原料が米・米こうじの場合(醸造アルコール未使用の場合)

純米大吟醸

精米歩合50%以下

吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好

純米吟醸

精米歩合60%以下

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

特別純米

精米歩合60%以下又は特別な製造方法

香味、色沢が特に良好

純米

精米歩合の要件なし

香味、色沢が良好

原料が米・米こうじ・醸造アルコールの場合(醸造アルコール使用の場合)

大吟醸

精米歩合50%以下

吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好

吟醸

精米歩合60%以下

吟醸造り、固有の香味、色沢が良好

特別本醸造

精米歩合60%以下又は特別な製造方法

香味、色沢が特に良好

本醸造

精米歩合70%以下

香味、色沢が良好