「南部杜氏発祥の里」として知られる岩手県紫波郡紫波町にある小さな酒蔵です。
創業は明治36年。初代廣田喜平治が当時この地で評判だった造り酒屋を譲り受け、戦後以降「廣田酒造店」として今日まで酒造りを続けてきましたが、南部杜氏の発祥の地・紫波町で地域に愛され続ける酒蔵を目指し、2022年（令和4年）に「紫波酒造店」へと社名変更を行いました。

「廣く多くの人々に喜ばれる酒」を目指して生まれた「廣喜」が代表銘柄で、南部杜氏女性第1号の小野裕美杜氏を中心に「米の旨味」をテーマとした「廣喜」ブランド全量を「酸基醴酛（さんきあまざけもと）」に切替えました。
更なる造りの技に磨をかけ、米の旨味の本質により迫るため、敢えて原点回帰の速醸もとで立ち上げたブランドが「紫宙」なのです。

岩手の酒米第1号「吟ぎんが」で仕込み、テーマである「天空をたおやかに漂うような、穏やかでゆったりとした酔い心地」を目指した第一歩が吟ぎんがで醸した純米吟醸。その無濾過生原酒バージョンとなります。

今までのブランド「廣喜」とは一線を画す、ガス感によるフレッシュ感とおだやかでやさしい吟醸香が漂います。
無濾過生原酒のインパクトを持ちながらも、優しくやわらかな味わいが協調して組み合わさり、ふんわりとした雰囲気に包まれます。
フルーティーな香りが華やかに立ち、仄かな甘みの後に穏やかな酸が顔を出し、硬質米の「吟ぎんが」らしいスッキリとした後味で綺麗なフィニッシュです。